おばんでやんす。
昨日はバーンのお誕生日でしたので小噺を捏造していたら日付変更線を越えていました。
まぁ想定の範囲内やね。
ひとまず、遅れ馳せながら、バーンお誕生日おめでとうございました!
そして告知です。夏コミ取れてます。
3日目(8/12) 東3ホール、キ-45-b Horizon Color
本人が‥‥えーと仕事が休めれば行けますが
休めなかったら最悪不参加かも知れません。
新刊はまだこれからなんでなんとも言えませんががんばります。
あとお詫びというか‥‥私信を。
ペンダントトップ御注文頂いてる方にもう本当に申し訳なく、
まだ生産できておりません。
もういらないということでしたら返金いたしますので、お声掛けください。
作る気はありますので、もしお待ちいただけるようでしたら、
もう少しだけ御猶予頂けますようお願い致します。
と言う事で以下は小噺。
テーブルの上には飴色のアップルパイ。
子供のころ風邪をひくといつも母親が焼いてくれたというそれは、ここにある出来あいの量産品とは味が違うだろうが‥‥
「これならコーヒーの方が合うかもね」
「かもな?」
「コーヒーならバーンが淹れてよ。君が淹れた方がずっと美味しい」
「じゃあ僭越ながら俺がw」ちょっとおどけてキッチンに立つバーン。
コーヒーが落ちる音を楽しみながらキースはアップルパイに蝋燭を立てた。本数が多いので結構大変だ。
「えっと、ライター‥‥は」
並べ終わって顔を上げると、丁度バーンがコーヒーのポットをテーブルに下ろすところだった。
「そんなのいいって。俺が最近会得した技をだな‥‥」自慢げに鼻を鳴らすバーンにキースは不審げだ。
「よしてくれ!失敗したら折角のパイが消し炭になるだろ!」
バーンがやろうとしている事を悟ってキースは小さく叫んだ。
「というよりアパートが燃え落ちるよなーははは‥‥よっし」
バーンは不穏な発言をしながら、綺麗に並べた21本の上をなでるように手を翳した。すると蝋燭に一斉に火が灯る。
「さあ歌え」得意げに胸を張るバーン
「え、何を?」キョトンとキースはバーンを見上げた。
「何ってバースデーソングをだなー」
「え?知らないよ?」
「嘘だろ?!」
「嘘じゃないよ‥‥あ、蝋燭が垂れそう‥‥」
「昔、俺の誕生パーティの時に皆で歌ったじゃないか!」
「曲まで覚えてない。早くしろ!バーン!蝋燭が垂れる!」
「自分で歌うのか‥‥Happy Birthday to Me♪」
早口で最後のフレーズを歌ってバーンは蝋燭の火に息を吹きかけた。
----------------
喧嘩気味になりながらも結局欲しいだけのピースを切り分けて貰って、嬉しそうに頬ばるバーンにキースはため息をついた。
「今日は君の誕生祝いなんだし、まぁいいけどね‥‥」
1/4は欲しがるだろうと思っていたけど、まさか1/2とは‥‥再び溜息をつくキースにバーンは不満そうに口をとがらす。
「ケーキを買ってきたのも俺、コーヒーを淹れたのも俺、蝋燭に火を灯したのも俺、歌ったのも俺、ってことでお前からのプレゼントは?」
「‥‥あ、」
身を潜めているキースはおおっぴらに買物どころか家を出る事も殆ど無い。個人で自由にできる所持金らしい所持金もない。
無論インターネットのような足がつくツールを使う事もできない。
以前バーンに美味しい紅茶を貰ってとても嬉しかった、だから紅茶を美味しく淹れて、それをプレゼントにするつもりだったのに、うっかり忘れていたのだった。
「そうだった、予定が狂った‥‥ごめん」
「モノじゃなくていいんだからさ」
バーンだってそんなことは重々承知してる。だからアイテムが来るとは思っていない。
「そうだな‥‥」キースは少し思案顔だ。
「無理なら別に今日じゃなくても‥‥」
「いや、‥‥バーン聞いてくれ」
「うん?」
「これからもずっと君を尊重し敬愛し共に在る事を約束するよ」
「ぇ」ポカンとしてバーンは顔をあげた。
「これが僕ができる精一杯のプレゼントだ」
「‥‥俺も‥‥」
「?」
「お前を尊重し敬愛し共にあると誓うよ、キース」
「あれ‥‥?」
何かを盛大に勘違いさせた事をキースは悟った。
バーンは照れ隠しのように笑う。
「なんだか結婚式みたくなっちまったなー!ははは」
「バーンの馬鹿ーーー!!!」
「なんだよ先に言い出したのお前だろ?!」ムッとするバーン。
「君が同じ事言ってしまったら僕からのプレゼントが成立しなくなってしまうだろ!」
「あー‥‥そこ重要?」バーンは"そっちかよ?"と心の中でツッコむ。
「重要だよ!」必死のキースに、
「関係ねーよ?だって俺、十分嬉しいもん」バーンは破顔する。
「プレゼント有難うキース!一生大切にする!」
この約束を抱いて生きていける、お前と。